テレビからの取材獲得を狙うには

目次

「PR」の本質を理解する

当社には、ほぼ毎日のようにこのような相談メールが届きます。

《相談例その1》
「株式会社○○の○○と申します。
当社ではこの度、新商品を開発しました。
この商品をテレビで取り上げていただきたく、御社へプレスリリースの制作をお願いしたいと思います。」
といった内容です。

その内容は「新商品の発売」から「新業態への進出」、「お店のオープン」、そして果ては「YouTubeの動画再生回数が○○万回に達した」など、実に様々。

しかし当社では、このままでは仕事を引き受けません。
なぜなら、「これだけでは取材獲得は無理」だからです。

そもそも「PR」とは「Public Relations(パブリックリレーションズ)」の頭文字を獲った言葉で、企業や団体などの組織体または個人が、一般大衆に対して情報を伝播したり情報や意見を受け入れることで、自身に対して“理解や信頼を獲得しようとする目的で行われる広報活動または宣伝活動”のことです。

つまり、一般大衆からの「共感」を得ることが「PR」の目的であり、その一方で上記の例のような宣伝活動は「CM(広告)」であることから、「PR」とは全く異なるものなのです。

「PR」戦略成功のカギは「おおやけ」と「社会問題」に結びつけること

では、上記の相談例をもとにテレビからの取材を受けるための「PR」戦略を練るためにはどのようにすればよいのでしょうか。

先ほど「一般大衆からの「共感」を得ることが「PR」の目的である」と書きましたが、ここをマイニング(採掘)することで「PR」戦略の道筋を作り上げることができます。

例えば
・その商品を開発しようと思ったきっかけは何だったのか(動機・理由)
・開発するにあたって苦労や挫折をした点や乗り越えた秘訣(失敗談をアピールポイントへ転換)
…といった点を深く掘り下げることで「共感ポイント」を見つけ出すことができます。

PR戦略を組む法則のひとつに、「公(おおやけ)」というのがあります。PRすべき商品を、大きな社会問題と結びつけることで売りにつなげるやり方です。おおやけの問題である、「男性と家事」を洗濯洗剤のPRに結びつけた、インドの成功例を紹介します。

「家事をしないインドのお父さん」にスポットを当てたP&Gの洗濯洗剤「Ariel(アリエール)」の「Share The Load(シェア・ザ・ロード)」というキャンペーン。いわば、洗濯(家事負担)を夫婦でシェアしましょう、という意味です。

まず前提として知っておきたいのは、インドのお父さんは本当にちっとも家事を手伝わず、「仕事から帰ってきたら、まずはチャイ(お茶)でしょ。それが何か?」という状態なのだということです。
この「公(おおやけ)」の問題に目をつけ、ユーチューブなどで動画を流したりSNSを使ったりとウェブ上での仕掛けを主軸とし、最終的にはお父さんたちに意識改革をしてもらおうという狙いです。

動画ではまず、母親たちが家で仕事をしている娘の話をしています。「娘も仕事が忙しくてね、お婿さんよりも高給取りみたいなのよ」「私たちの頃とは大違いよね」。そんな他愛のない話をしていると、奥からお婿さんの叫ぶ声が聞こえてくる。「ねぇ、ぼくの緑のシャツ、なんで洗濯していないの??」。一斉に振り返る母親たち。そこで次のメッセージが出てくる。「なんで洗濯は女だけの仕事なの?」

インドも日本と同様、女性の社会進出が進み、高学歴、高収入の女性が増えました。なのにもかかわらず、家事はすベて女性の仕事。まるで日本と同じような現状がインドにもあるのです。つまりこのキャンペーンは男性の家庭進出を促進するのが狙いなのです。まずは話題性のある動画を流すことで火をつけたのち、マスコミにキャンペーンを張った結果、討論番組が組まれ、いかにお父さんたちが家事をしないかディスカッションされ、このテーマは大いに盛り上がりました。

冒頭で書いた《相談例その1》をこの「公(おおやけ)」の法則に当てはめるとすれば、開発しようと思ったきっかけ(動機・理由)を社会問題と結びつけることで消費者の「意識転換(パーセプション・チェンジ)」を狙い、最終的に購買への「行動転換(ビヘイビア・チェンジ)」を起こすことで、「PR」戦略は成功します。

プレスリリースは「CM(広告)」ではない

では、プレスリリースは一体どの場面で活用すれば、取材を獲得することができるのでしょうか。

上記の「Ariel(アリエール)」の「Share The Load(シェア・ザ・ロード)」キャンペーンの場合であれば、ネット上に動画を流すことで火をつけたのち、マスコミにキャンペーンを張る段階で「プレスリリース」が活用され、その結果討論番組が組まれるまでに盛り上がりを見せました。

つまり「プレスリリース」は「CM(広告)」のように活用するのではなく、あらかじめ環境を整えて成熟させた上でマスコミにキャンペーンを張る段階で活用することで、取材獲得のチャンスを一気に広げることができるのです。

「環境を整えておく」とはつまり、
・「公(おおやけ)」や「社会問題」と結びつけた「ストーリー」を考える
・ウェブサイトやSNS、動画などを作成し、「ストーリー」を伝える
・話題性に火をつける
ということで、今やウェブサイトやSNS、動画による環境構築は「PR」戦略の必須事項です。

当社のお客様でもここを勘違いされているお客様が多く、「プレスリリースをCMのように配信することで名前が一気に広がり、取材獲得を狙うことができるのではないか」と思っているお客様が多いのですが、実際は「環境を整えて成熟させた上でマスコミにキャンペーンを張る段階」の方が効果的なのです。

このため当社では、プレスリリースの作成をご依頼いただいたお客様にはこのような「PR」戦略も併せてご提案しています。

当社の取材獲得事例

当社ではこのように「PR」戦略の考案と、その内容に沿ったプレスリリースを作成しておりますが、その結果多くの取材獲得実績を得ております。

これは当社にて「PR」戦略とプレスリリース作成のご依頼をいただいたお客様が、テレビ番組制作会社から取材オファーをいただいた際の番組企画書です。

このようなテレビ番組は「今、社会では何が受け入れられているのか」といった「公(おおやけ)」や「社会問題」などの「ストーリー性」を求めています。

当社では、お客様からのご要望を基に「公(おおやけ)」や「社会問題」と照らし合わせた「PR」戦略をご提案し、その内容を基に作成したプレスリリースをマスコミへ配信することで取材獲得を狙いますので、効果的な戦略を展開することが可能です。

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