チラシで『※個人の感想です』を書いておけば体験談OKの時代は終わりました。
目次
「サワー90円」に惹かれて見てみると…???
ある日のこと、仕事で車を走らせていると、焼き肉店の広告が目に入った。
でっかいタペストリーに、ドド~ンと
「サワー90円」
と書いてるではないか!!
や、安い………。
が!しかし!!
ものすごーーーく近づいてみないと見えないくらいの小さな字で、何か書いてある…。
「+税~」
は?何て書いてるか見えない…。
「+税~」
と書いてあったのである。
しかも、90円なのはほんの一部のメニューだけ…。
うーん…、たとえ一部メニューであっても、税別であっても、そして「~」が付いたとしても、確かに安いんだから正々堂々と「+税~」と書けばいいじゃんと思った。
そして同時に、この「+税~」文字の小ささは、
「違法なんじゃね?」
と思ったんで、このあと書きます。
注釈表記の文字サイズや内容、表記箇所は決まっている
この「+税~」だけでなく、健康食品のチラシなどでよく見かける「※個人の感想です」といった表記のことを『注釈表記』や『打ち消し表示』と言うんだけど、この文字サイズや内容、表記箇所については『景品表示法』という法律で決まってて、文字サイズについては
強調表示と打消し表示の文字の大きさのバランスを重視し、打消し表示の文字の大きさは80%を目安とする。
と規定されており、内容については
「エビデンス(証拠)を併記しろ!」
と言い、さらに表記箇所については
「強調表示と打消し表示とを隣接させろ!(…つまり、離して書くなということ)」
と決めてる。
さらに景品表示法は、文字間余白や文字色についても触れていて、
「文字間余白や行間余白、背景の色(打消し表示と対照的な色の組み合わせにすることが必要)にも注意しろよ!」
と言うなど、まぁうるさい(笑)
だからこそ、デザイナーには高い法規知識とデザイン力が求められているということになる。
はぁ…また仕事が増える…。←あ、これも打消し表記になるのかな(笑)
景品表示法違反は刑事罰の対象
んでもってここからがもっと大事な話になるんだけど、この景品表示法は刑事罰の対象になるということ。
万が一誤解を生むような表記した広告物を作成し、それが消費者からの苦情に結び付いた場合は『有利誤認表示』と判断され、摘発されて措置命令を受けたり、罰金などの罰則を受けることもあるんです。
実はこれ、今急増中なのです。
刑事罰
景品表示法違反があって措置命令を受けた場合に、その命令に違反した場合には、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金になります(景品表示法第16条 第6条の規定による命令に違反した者は、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。)
報告義務違反
1年以下の懲役又は300万円以下の罰金刑
課徴金制度
処分庁がその判断により、課徴金を課すことが出来るようになるのです。よって、現行の刑事罰よりも、適用される場合や対象が大きく広がる可能性があります。
もちろん、刑事罰と課徴金制度とは別です。
ですから最悪の場合、両方科される場合もあります。
クリアするためには『エビデンス(証拠)』の併記が肝心
では一体どうすればよいのか。
例えば体験者談、価格割引、税別表示などを書くときは、
- 何人でテストしたのか
- 効果が出たのは何人で出なかったのはどれくらいか
- 割引の適用条件は何か
- 検証データ
コレ全部書かないと体験者談とか記載してはダメに法制化されることでしょう。
これ、深夜にやっているお腹をひっこめる器具とか、シミを消す健康食品とか、すべて「みなさんにテストしてもらいました」ということにするときは、いままで何人でテストしたのか、全然効果なかった比率はどれくらいかまですべて書かないとだめになるわけさ。
これ、すべて記載するとなるとウソ書いたら一発で今度は不当表示でやられる。
ここまで厳しくするのも、なんだかなぁ…と思うけど、デザイナーはしっかりと知識を身につけておかないと、クライアント様にも消費者にも迷惑がかかるし、もちろん自分にも危害がい呼ぶ可能性があることも知っておかないといけない。
もちろん弊社ではこのようなルールに沿ったデザインを作成しておりますので、お気軽にご相談ください♪